TOP > お猫さま > まとわり母さんとの約束(ユキ、モモ、タマの場合)

まとわり母さんとの約束(ユキ、モモ、タマの場合)

| コメント(0) | トラックバック(0)

その猫は、白黒のブチで、お世辞にも美猫とは言い難く、でも、妙に愛嬌があって憎めない雌猫でした。生粋の野良ではないらしく、我が家の住人の足下によくすり寄って人懐こい様をアピール(笑)出産シーズンになると必ずといっていいほど姿を消し、その後甲斐甲斐しくエサ運びに勤しんでいるので毎回「お母さん」をやっていたのではないかと思われます。そこからついた呼び名が「まとわり母さん」です。

その年の11月も同様で、しばらく姿をみないなと思っていた後、びっくりするほど痩せた姿で、またエサを運ぶ姿をみかけるようになりました。出逢ってからかなりの季節が過ぎていましたので、それなりに齢も重ねています。
野良猫としてはかなりの高齢になるでしょう。
「元気?」
思わず声を掛けてしまいたくなる、それほどにしんどそうな様子でした。
「子供を育ててるんだろうけど、大丈夫かね」
そんな話をした数日後、なんと子猫を連れてやってきたのです。
11月19日、風の強い日のことでした。

連れてきた子猫は全部で3匹。
1匹は、お母さんと瓜二つ。美猫じゃないけど、味のある顔をしています。
2匹目は、白黒の牛柄だけど、とってもかわいい美猫でした。
そして、3匹目。M模様もくっきり鮮やかな超かわいい茶色のシマシマ!ただし、尻尾がタワシ(^^;
それが塀の上でじっとひなたぼっこしてるんです。

まとわり母さんはというと、少し離れたところからじっと様子を見てるだけ。けれども、すごくしんどそうで、時々ひどく咳き込みます。普通、子猫連れの母猫は、絶対人の手が届く範囲には近付きません。害意を持っていなくても、近付くとさっと逃げていきます。なのに、子猫どもどもじっ~としてるんです。
「あの子猫、大丈夫かな?」
子猫がじっとしているというのは危険信号だというのは、既に知っていましたから、つい気になってしまいます。風よけを兼ねて、試しに小箱に入れてやると、逆らいもせずじっとされるままになっている。折しも、チビが風邪を引いていて、医者に連れて行く時間が迫ってきました。
「…どうしよ」
チラっとまとわり母さんの方を見ると、やっぱりじっとしてるんです。
私達が子猫に手を出しても何も言わず、ただ見てるだけ。
…負けた。
「あんたは飼ってあげられないけど、替わりにこの子達の面倒はうちで見てあげるから。今から病院に連れてくよ」
そのまま子猫を箱に入れたまま、車へGO!
病院から帰ってきた時、そこにまとわり母さんの姿はありませんでした。

さて、それからが大騒動。栄養状態はまあまあ。しかし、それがまとわり母さんの限界だったのでしょう。毛繕いその他までは手が回らなかったらしく、ノミの宝庫でした。どれくらい凄かったかというと…。
たらいにノミ駆除のシャンプーを溶かして、その中に1匹漬けるだけで、たらいの表面いっぱいにノミが浮くんです(滝汗)とてもじゃないけど、一度シャンプーしたくらいでは駆除できないっ!!
かといって、弱り目の子猫を何度も洗うわけにもいかず、あとは辛抱強くノミ取り櫛で梳くだけ。納得できる状態までに、1週間掛かりました。ノミを完全に除去するまでは先住猫のクロとチビと一緒にするわけにはいかないので、当面、3匹の居場所は玄関に決定。クロとチビが網戸越しに外が見れなくなるのは、ちょっと我慢してもらおう。
「うちはいつから保育園になったんだ!?」
玄関を開けた瞬間、某家人の反応です(笑)

子猫たちの名前ですが、尻尾がタワシのシマシマは、外見から「タマ」に決定(笑)。
牛柄の美猫も同じく外見から「モモ」と命名。
3匹目のお母さんそっくりの白黒は…白といえば雪よね、と「ユキ」にしました。
名前からもわかるとおり、ユキとモモは雌。タマが雄です。で、栄養状態のよかった順が、ユキ、モモ、タマでして、たぶん、これがこの3姉弟の勢力順位ではないかと思われます。

3匹を引き取ってから、まとわり母さんの姿をふっつり見かけなくなりましたが、師走の声を聞くようになってまた姿を現すようになりました。まだ子猫たちが玄関にいる時でしたから、当然網戸越しに対面できます。が…。子猫たちの拒否反応の凄いこと!!体中、総毛だって、「ふーっ!」と呻り声を上げるんです。子猫にしてみれば、母親に捨てられたという思いが強かったのかもしれません。

まとわり母さんはというと、少し離れたところからじっと見てるだけ。
「約束通り、ちゃんとうちのコにしたからね。」
玄関口の猫用名札は2枚から5枚に増えてました。それを見て安心したのでしょうか、まとわり母さんは、何処ともなく姿を消しました。しかし、それからもまとわり母さんの訪問は続きます。短時間ではありましたが、必ず玄関口で子供と対面。「ふーッ。」と威嚇された後、いつの間にか去って行く日が年末まで延々1ヶ月くらい続きました。

年末が押し迫った頃、「まとわり母さんをみたぞ。今日は玄関まで行かんかったが。」と父が言ったのを最後に、まとわり母さんの訪問は完全に途絶えました。死んだと聞いたのは、そのすぐあとでした。まとわり母さんの主だったねぐらは、隣町で、そこには彼女の子供が相当数飼われており、遺体は、子猫達の里親達が共同で葬ったそうです。埋める前に、子猫(既に成猫ですが)の何匹かは対面させに連れて来られたとか。我が家が預かったのは、まとわり母さんの最後の子供でした。さすがに隣町では情報が行き渡るのに時間がかかって、間に合わなかったのですね。

決して美猫ではなかったけれど、賢くて愛嬌のあったまとわり母さんは、自分の子供達をそれぞれ目星をつけた人に託して逝ったのかな。そういえば、引き取った子猫たち、トイレの躾に困ることもなく、爪研ぎもちゃんと決められた場所でするし、野良猫のお子さまなのに、ホント、手間いらずです。
食欲も凄く、子猫らしく元気いっぱい!
あの日、じっとしていたのは、もしかして演技か!?
3匹は、クロとチビに混じって我が物顔で我が家中を走り回っています。

ちょっぴり先が思いやられはするけれど、まとわり母さん、あなたの子猫達は今日も元気いっぱいですよ。

トラックバック(0)

トラックバックURL:

コメントする

お知らせ

■お猫さま至上主義です。

■推奨ブラウザ:Firefox

RSS新着情報をGET!

月別アーカイブ

Banner

MT4i

猫派の読書空間 for i-mode

フィードメーター - 猫派の読書空間

あわせて読みたい

BlogStats

■エントリー数: 1222
■コメント数: 2586
■トラックバック数: 333

■Thanks!